注文を聞いてからじっくりと丁寧に焼き上げたアマゴはこの店一番のおすすめ。表面はパリッと芳ばしく、中身はふっくらと甘みを感じるまさに渓流の女王の名にふさわしい美味しさです。名水豆腐、天川産こんにゃく、ジビエなど地元の山の幸を使った定食は、コーヒーにデザートまで付いてお得です。
洞川温泉の玄関口に店をかまえる「お食事処 みやそい」。もともと宮司の家系で、お宮さんのそすぐばにあったことからその屋号がつけられたといいます。
のれんをくぐりカラカラと扉を開けると、カウンターから「いらっしゃい」と気さくな声が聞こえてきます。厨房に立つのは、お父さん・お母さん・息子さんの3人です。うどんやお蕎麦、丼物といった定番メニューはもちろん、アユやアマゴにイワナ、猪肉に鹿肉など。ゆったりくつろげる店内では、地元ならではの味覚を楽しむことができます。
中でもおすすめは、脂がたっぷりのったアマゴを丸ごと楽しめる「川魚膳」。朱色の斑点が美しいアマゴは渓流の女王とも呼ばれ、あっさりとした味わいの中にあるほのかな甘みが特徴です。注文を受けてからじっくり丁寧に焼き上げるので、表面はパリッと香ばしく身はほっくりジューシー。頭からしっぽまで、ぺろっと食べきることができます。
アマゴの傍らには、名水とうふや天川産のこんにゃく、ジビエ料理などがずらりと並びます。独特な風味に苦手意識をもたれがちなジビエ料理ですが、みやそいのお肉は柔らかくてびっくりするほど臭みがありません。美味しさの秘密は、目利きの店主が選ぶ良質なお肉と調理の丁寧さにあります。さっくり揚がった鹿肉の串焼きと、ゴロリとした食感が楽しい猪肉コロッケは、肉本来のしっかりした旨みが口の中にじんわり広がります。食後の葛餅と珈琲も嬉しい、最後の一口まで大満足の一品です。